平凡な詩
ヒヤシンス


 多摩南野に吹く風が透明度を増してゆく。
 秋が季節の扉を開ける。
 時の歩みに歩幅を揃えると、
 あっという間に歳をとる。

 嬉しい時、私は笑う。
 悲しい時、私は泣く。
 楽しい時、私は饒舌になる。
 つまらない時、私は無口になる。

 私は平凡な人間だ。
 私には色気がない。
 孤独かと言えばそうでもない。

 秋の街並みに金木犀が匂っている。
 平凡な人生を日々満喫している。
 それで良いのだと自分に言い聞かせながら。


自由詩 平凡な詩 Copyright ヒヤシンス 2017-10-07 07:01:08
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