身体原始
水菜

目の前のものを見ていようと思う
目の前のものを見ていたいと思う
見ていたいと思いながら見れていないと思う
そうして気付く
必要なものほど遠くにあると思いたかったことを
そうして気付く
遠くのものほど原始に近づかないことを
近くほど原始なのだということを
そうして気付く
私は原始でいたかったことを
私は原始でいたかったのだ
だから掴めなかった
もともと私はそれを必要としていなかった
必要としていたのは原始だった
見たかったものは原始だった
原子
原子を目にしたい
概念のなかで
必然を目にしたい
魂の欠片を目にしたい


自由詩 身体原始 Copyright 水菜 2017-10-04 20:23:15
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