夢現〇命の余韻(改訂)
ひだかたけし

微かに発光するその小さないきものが
水辺から自力で上がって来るのを待って
ぼくはそのいきものを
そっと両手で包み込み
彼女の言葉に耳を傾けた

[命は壊れやすく
そうして
強靭なもの
わたしもあなたも
一つの懐かしい光の余韻]

彼女はそう言い終わると
青い大気に跳躍し
すっと太陽に呑み込まれた

これ以上にない最高の笑みを残して






自由詩 夢現〇命の余韻(改訂) Copyright ひだかたけし 2017-10-03 18:14:58
notebook Home