ルキフェルとティンカーベル Ⅰ
犬絵

あの人に両肩をつかまれて
力いっぱいゆさぶられた

あなたはなぜだれもあいさないのですか

見上げると空はただただ青かった
きっと光がまぶしかったんだ
あたしはしっかりと目をつむった
恋はしらない
愛もしらない
友情だけはちょっとはしってる あ りとる
それをあなたはしっている
こころさかれる恋にやぶれたこと
あんなにみじめに愛にすがったこと
人はひとりっきりでは生きてゆけないけれど
あたしは少なくてもあれ以来3年間はひとりっきりで生きたもんね
嘘ばっかりだ言葉なんて
一度くらいは愛にくるまれて
みたかったのだけれど
誰もあたしを愛さなかった
まわりにいっぱい人はいるのにだれひとり
うらんだ かな
そんなでもないよ
恋はしらないから
愛もしらないから

どうしてあなたは信じないのですか
私も ですか

いや そんなことないよ
ちょっとはスキだし ちょっとは信じてる あ りとる
いつだって背筋のばして歩いてる姿は美しいし
あこがれてるよ
ダッテアナタハアタシヲ愛シテクレナイジャナイ
いたいほどのかたをつかむ力が消えて
やっぱりあたしはひとりになった
光がまぶしいのでしっかりつむった目になみだがにじんだ
そのとき生まれて初めてくちびるに女の人の唇が触れたんだ
そして生まれてはじめてほんとうに心のかたちまでだきすくめられた


自由詩 ルキフェルとティンカーベル Ⅰ Copyright 犬絵 2017-10-01 09:48:03
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