Re: 光
倉科 然

あなたが言いかけてやめてしまった命

浮遊する魂の残骸を窓のない汽車の中で夢想して

夢想して

それが手の届かない場所だと

それが僕では救えなかったと

こんな時間に想像しきってひとしきり吐き出して

それでも目の前は真っ暗で黒すぎてもはや光で

それこそが僕の光で

揺れる汽車の中でここはどこだと気がつくと

赤いシートの色が血の赤だと気がつく

どうでもいいことなんて一つもなかった僕らに

暗すぎた一縷の光が血の赤にあった

ほら見えるでしょう


光。


自由詩 Re: 光 Copyright 倉科 然 2017-08-28 22:02:31
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