カメレオン
あおい満月

なにかことばが書けるとしたら
私はここになにを書こうかたと
えば当たり前かもしれないけれ
ど詩人は嘘つきでその嘘は多分
真実と嘘の合の子でどこからど
こまでが本当でどこからどこま
でが嘘なのか嘘が真実を超えた
ら世界は消えてなくなるのか真
実が嘘を飲み込んだら世界中の
あらゆる犯罪は消えるのかその
こたえは誰も知らなくてまたは
誰もが知っていて身体のなかに
罪を隠すための舌が備わってい
て誰もが皆カメレオンなのかも
知れない。身体を違う姿にして
知り得た世界を舌のなかに隠し
て。そうやって私たちは生きて
いるのか生かされているのか。
そう気がついたとき、私は自分
の身体の生臭さを何よりも愛し
く感じたよ。



自由詩 カメレオン Copyright あおい満月 2017-08-27 11:39:06
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