熱病
水城歩

わからない熱波に目蓋落ちていくコルゲンコーワ君の名を呼ぶ


背中からよくないものが溢れてる脳から直に遠方へ飛ぶ


水の山ひらいた朝を仰ぎ見てほくそ笑むとき丹頂が啼く


瞳から瞳の距離に喘いでる手招く声にひたひたになる


簒奪の迷路ささいなナポリタン毛糸を少しずつ食べていく


恋恋と大きな夜を渡航する花を愛する端正なリラ


帰宅即横臥機械が唸ってて天井からは山蝉の声


短歌 熱病 Copyright 水城歩 2017-08-22 22:09:48
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