私の夏
星丘涙

思いついた言葉をならべ
魚の様に泳がせては眺め
それを繰り返していた

嫌な湿気が躰にまとわりつき
汗が流れ落ちる

手招きするように日は暮れてゆき
無為に過ごした日々

庭の向日葵は枯れていた

いつのまにか高校球児たちは
熱闘の中を駆け抜け

わたしは空白の時を嘆き悲しみ
狼狽えている

玄関の隅に蝉の骸が落ちていた
それをじっと見つめる

私の夏はとうに終わっていた
そう思った




自由詩 私の夏 Copyright 星丘涙 2017-08-21 06:34:52
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