青桐の血
凍湖(とおこ)

ちぎって、ちぎって
ゆびさきがあかく腫れるまで
すてた葉っぱから

青くなみなみと
流れ出でた血
海のように辛(から)くて
うまれた魚は悪夢のようにおいしい。


わたしたちは悪魔のように
悪魔のように
大きなおもちゃを乗りこなせない。


太平洋のうえで
くるくるくるくるって
つるの群れがないている。


きのこの傘のした
どく胞子まみれのくに
それでも青桐の葉はみどりに燃えている。


青い血が辛くて
あまりに辛くて
このかなしさを、かなしいと言えない。











自由詩 青桐の血 Copyright 凍湖(とおこ) 2017-08-18 18:09:45
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