それは空
星丘涙

夏の夕べ
赤に染めぬいて
剥がれ落ちる太陽

燃えているのですか

綺麗な空の色
堕ちてゆく
ふたり

曖昧にうなずき
グレーを好み
ただ誤魔化しているだけの
わたし

星屑は
かぞえるだけ
空しい

苦しみは
ただ八重歯を丸くする

混沌をならべて
みつめる
それは蛇

しろい夜に
瞼をとじて
安全地帯で憩う

ふたり
溺れる海
それはエロス

君は
悲しくても
笑う

そびえる都会
喧騒に紛れる孤独達

夢を追いかけて
酔ったように
生き抜いても
空しい

それは空




自由詩 それは空 Copyright 星丘涙 2017-08-05 10:33:54
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