そこな女
坂本瞳子
抱えた罪は握り潰して
なにもなかったように
素知らぬ振りをして
涼しい顔をして
通り過ぎる
決して後ろを振り返ることなく
悪びれもせず
嘘に嘘を重ねて
罪悪感の欠片も覚えることなく
影に怯えることもなく
自由気ままに陽のもとで
豪快なほどに堂々と
羽を伸ばしたまま
自覚することもなく
堕ちてゆく
誰を巻き込むこともなく
望む人は連れて行ってやろう
自由詩
そこな女
Copyright
坂本瞳子
2017-08-05 00:05:36