京都タワー
服部 剛
夜空から明滅して
ゆらゆら下りてきたUFO
が
白い塔に刺さったまま
もう長い間、固まっている
その足下を京都の人々は
すまし顔でゆき過ぎる
遠い街で
あたりまえはあたりまえでないと
知った旅人
この旅を終えた
後
あたりまえでないあたりまえを
発見できるだろうか?
旅のトランクを歩道に、置いて
仰いだUFO
の
上の尖塔から
電波を受信するように
自らもアンテナとなり
明日の古都を歩いてみよう
自由詩
京都タワー
Copyright
服部 剛
2017-07-25 00:26:05
縦