切り取り線
花町 明
立ち止まり見渡し後に続くのは世界の果てであり着地点
見上げる事も有ればその頂でじっとしている
動かないのではない、動いたら殺してしまうのである。
だから、動けないでいる。
何時かなんて訪れないって信じてる
何時かなんて訪れたら思うんだろう
死ぬんじゃないかって
殺されずに済んでるのは何でだろう
殺す価値もないから
ずっとそのままなんだ
見渡す世界をファインダー越しに納めていく
溢れかえる頃には死んでる
誰にも触れたくないって思いながら
誰も殺したくないって思いながら
そのままで良いって言葉を抱えながら人は生きている
似たような誰かを探して
修復不可能なほど
誰かに優しく成れない時は
言葉眺めて殺さずに居られる世界を思う
唇は誰かを見つける度に毒を吐かないようにしている
隔たりは他の誰でも無い自分だって知ってる
誰よりも暴力的
ちぐはぐだらけで
今日も生きてる