暮れないまま
ただのみきや
滲む濃紺のシルエット
おくれ毛ぬれたその耳を塞いで
いたのは 誰の声だったのか
小さな手から逃げ出した
風船は 空いっぱいにふくらんで
音もなく 破裂した 大人びて寂しい
始まりと終わりが一つのような
夏の日に かつての やがての
小箱の中の永遠に
《暮れないまま:2017年7月11日》
自由詩
暮れないまま
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ただのみきや
2017-07-15 20:34:53
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