南海の孤島の亜熱帯の竹林
星丘涙

ソテツの葉が絡みつき 十年に一回輝く
狂おしく悩ましい亜熱帯の夜 何かが生まれる
息を殺して十五夜を待てば 銀色に輝く竹林

闇夜に浮かび上がる 竹に虹のウェーブが架かる
夜のスコールにうたれ気がついて見れば 海蛇が歌う
潮風が吹き笹の葉を揺らし 夢の世界に誘うよう

誰もが見たことのない 南海の孤島の亜熱帯の竹林
その輝きを見ると 息絶えると言う

   
ゆりの花が咲いたら 船を漕ぎ出し見に行こう
銀色に輝く伝説の竹林を 今夜は十五夜
海が泣き闇が慰めるだろう どうしても一度おがみたい

誰もが憧れている 南海の孤島の亜熱帯の竹林
その輝きに魅せられて 海の泡になる

誰もが見たことのない 南海の孤島の亜熱帯の竹林
その輝きを見ると 息絶えると言う


自由詩 南海の孤島の亜熱帯の竹林 Copyright 星丘涙 2017-07-10 20:22:11
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