想いが舞う
坂本瞳子

気持ちがふんわりと宙に浮かんでいる

ふと気づくと想い出に捕らわれていて
目の前の仕事は進んでいない

二人目だ
一週間と経たないうちに
二人も親しいちかしい人が地上から飛び立って行った
お別れの挨拶もできずに

気づいていてくれただろうか
私が抱いていた
敬意を
憧れを
愛情を

そういえば一度も言葉として伝えたことはなかった
伝わってはいなかっただろう
こんな風に想いを馳せると
文字が滲む

二人目を失って
一人目への喪失感を覚えるだなどと
なんともやりきれない

まあフラフラしているさ
この私は
この地上で

まだやらなければならないことが
あるらしいから

今宵はもう暫く
想い出に浸っていたいけれど


自由詩 想いが舞う Copyright 坂本瞳子 2017-07-06 22:26:56
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