日々野いずる

雨。
浮かれた願いを流してしまって
蝉の声も聞えない
しんとしたスコールが窓を叩く

耳の中の狂騒。
蝸牛がのろのろとフローリングを這い
残る鈍く光る涙の跡

蝉の声が死んだ時
私の涙も連れていかれて
からからの喉から振り絞った叫びは
窓際で雨が叩き返して

静寂。


自由詩Copyright 日々野いずる 2017-07-01 09:50:24
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