大地
間村長

敵を聞くと
糞臭の漂う朝食となり
シシャモを食べる
蜆の味噌汁を飲む
円環を描く三日月を
聴いて居たせいもある
元々三つあった首が
一つに減り
水で濡れた手を
武器の様に使う母が居た
せいぜい水が飛んで来て
水滴が皮膚に感じられるだけなのだが
父は洗面所で吐き始める
姉の自転車に掛けられていた
雨合羽は既に取り去られた後で
姉は出勤した後だった
振り向かない小学生の後を追って
畑へ行けば秋の虫が鳴きまくっている
大地があった


自由詩 大地 Copyright 間村長 2017-06-29 09:31:37
notebook Home 戻る  過去 未来