ひとり東京
星丘涙

ひとり気楽な夜
薄暗い部屋で過ごす
夢はない
思い出と酒
それだけでいい
目を瞑り故郷を思い浮かべる

波の音が遙か遠くから聞こえる
海は凪だ
漁船が沖へ向かう音が響く
浜風がカーテンを揺らし
窓を開けると
満天の星空が広がる

静かな夏の夕べ
ほろ酔いで
部屋の隅に眠っていた
ギターを持ち出し
ボロリン ボロ ボロ
思いがけず
涙が頬をつたい
おふくろの顔が浮かぶ
元気でいるだろうか
ひとりはいい
孤独と酒
思い出と唄に酔いしれ
ひとりの夜は更けてゆく



自由詩 ひとり東京 Copyright 星丘涙 2017-06-19 19:04:46
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