現状再生中
竜門勇気


現状再生中
僕は僕を見てる
六歩離れて
手を伸ばしても
届かない事がわかる
いー距離さ

夏が寒いとか
冬が硬いとか
アノード探しの
宣言に酔ってるんだ

可愛いつもりで
笑ってる
嬉しいつもりで
泣いてる
ひねくれ捻じれ
傘を待ち続ける

町並みは洗浄してく
きれいなものだけ選んで
寿命を迎えたランプ
そばにいてもいいよ

夏は酷いとか
冬は何時かわかんなくなるとか
たかが知れてる
期待に溺れてるんだ

町並みは洗浄を
強要する
歩く場所を与えて
それしか選ぶことも出来ず
頭の中は真っ白さ

ひねくれ交じる焦りの中で
お前が居なければって妄想が
僕が居なければって現実が
等記号の形でやってくる
妄想も現実も選べないのに
ランプが作る闇の中で

現状再生中
君の見てる現状は
聞こえるとこで再生中
町並みに漂白された部分で
希釈され続けた自分の部分が
現状再生中
現状再生中


自由詩 現状再生中 Copyright 竜門勇気 2017-06-16 23:32:27
notebook Home 戻る