寿司桶まっくろけ
斎藤秀雄

寿司にサイダアをかけて、舞台にかける。 舞台の
装置も人物の扮装もアッサリしていて。 アッサリ
した一つのことしか考えていなかった。子規居士
の考える、子規という男はなんでも自分のほうが
えらいと思っている、
ほどなくえらい、ほどなくステーション。
ステーションから箱が一つどっさりととどいた箱
になった。馬、弱く、まだらなる、馬臭い油の匂い
がしている。油をしぼられているらしい。乳を
しぼる
  乳の中に居らっしゃる
  乳は女医の人のを搾る
 女医や産婆の宅あずかりである。
 産婆の横にちょこんと座って 中に座る。中には
毎年こちらまでわざわざクリスマスをしにくる、わ
ざわざ東京から私に、東京に注文しておいた、注文
してビーフステーキを焼いてもらいましたが、
ビーフの食い残しをつまみあげながら呟いた。

ライン河が見たいなと、呟く。
河は銀色にうねりつつ
銀色のメスを
盆の上に置いた。
盆は目に見えぬ。
目のふちに溢れ出て来たふちへ、ほたるをとりにいった。
烏賊をとる。
     烏賊のお刺身も頼んで来たのよ。
刺身の醤油にしても、醤油のことをムラサキという
ムラサキという
小さな
酒場を
開いていたが、酒場で日本人の水兵に短剣で眠らされた。

水兵を借りてきました。
鰯を借りる
鰯のすしと玉子の煮たので。


自由詩 寿司桶まっくろけ Copyright 斎藤秀雄 2017-06-15 03:28:02
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