為平 澪


泳ぐこともできず
伝える手段もなく
ただ与えられた囲いの中で
浮遊している、
泡のようなもの
    ※
失くしてしまえば
過去にしたいと
遡っては 身を護り
忘却の波に運ばれて
美化される
    ※
終わったと思ったモノが
尾ひれを付けた噂になる頃
私はやっと 汚水の中で
独りになれる



自由詩Copyright 為平 澪 2017-05-19 04:06:51
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