梅干
たもつ



妻と二人で梅干を漬ける
台風が近づいている
空はまだ晴れているけれど
窓から入る風は生暖かく蒸し暑い
梅の実の良い匂いがする
水洗いした梅の実をタオルで一つ一つ拭き
ヘタを楊枝でほじくるのが僕の役目だ
妻が塩梅を見ながら漬けていく
うっかり額の汗を素手でぬぐってしまい
手を洗いに行く
塩分を控えめにしたために
カビを生やして駄目にした年もあった
窓の外を見ると
日の当たる花壇では植物たちが光合成をしている
小さな虫が蜜を吸いにやってくる
その間にも僕らは
何故か生きることに多忙なのだ




自由詩 梅干 Copyright たもつ 2005-03-09 12:44:43
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