あなたをおもえなくなるような、

とばりが欲しい。


母を、父を、兄を、姉を、妹を、弟を、友を、師を、

家族という家族、親類社会たぐいの繋がりを、いったん綴じましょう。



他人であり見じ知らずだったあなたも、

私であり私でなかった此の心も葬り、


捨てられるものすべて棄て、

優しさという恐れに溺れる前に、

それが どれほどに大切であったかも忘れて、


一度、水に還りましょう。

冷えた暗い底に沈めましょう。



終りに一縷の灯りあれば、

唯それだけの救いに無垢に生き甲斐えて、

愛なす報いに赦されるでしょう




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