思うところがあって、l
Ayu

一度であった人のことは忘れないような、

ううん、そうじゃなくてもいい、

少しでも大切に思ってる人のことは死ぬまで忘れないような、

そんな脳みそだったらよかったのに。

ふたりで持っていたはずの思い出を、

一緒に過ごしたはずの時間を、

いつだか気づいたら失って、

分かち合えてたのに、できなくなって、

それで、

最後にはそれを覚えてる人はいなくなって。

仕方のないことだと分かっていても、

寂しいし、悲しいし、虚しいし。

返ってこない返事と、

一生忘れないと思ってたはずの記憶と、

あったはずの絆と。

存在は確かにしていた、

今でも見えないだけであるのかもしれない、

だけど、それを見る術を知っている人が誰もいないのであれば、

それは無いものと同じだ。

一度忘れてしまったら、

もう思い出すことはできない。

もしかしたら、というのは勝手な望みと希望で、

抱いてみるだけで、少し気が楽になれるから生まれた

言わば幻想で、夢で。

あなたが私のことを忘れても、

私はあなたのことは忘れない。

そんな保証がどこにある、

今大きな決心でそれを固くきつく結んだとしても、

そのことさえもいつかは忘れてしまう。

絶対なんて言葉は気休めに過ぎなくて、

みんなどこか奥で実はそれに気づいてて

だけど気づかないフリをして

すぐに放つけども

やっぱり意味はなくて

だけど前に進むために

上を向くために

折れないために

きっと必要なことなんだろう。

わたしたちは、何よりもよわくて、そしてきっと

何よりも優しいから。


自由詩 思うところがあって、l Copyright Ayu 2017-05-16 12:28:01
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