もう少しだけ…
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嘘を吐く時に髪を触る癖は相変わらず治らないのね
私が気付いていないとでも思っているのかしら
誰にでも優しく接する貴方だから好きになったけど
今ではその優しさが私を傷付けているってこと

言いたいことを言ってしまえば楽になれるかもしれない
貴方のことで悩むのは毎日とても辛い
だけど貴方のことだけは嫌いになれない
こんな自分が嫌いでしょうがない

もう少しだけわがままになってもいいかな
その時貴方が何を取るのか怖いけど見たい気もする
終わらせるなら貴方の手で終わらせてよ
私にはもう何一つ選ぶことは出来ないのだから

隠し事をする時に目を逸らす癖は相変わらず治らないのね
本当は昨日の夜どこにいたのか私は知っているのよ
余計な詮索をしないのは決して優しさなんかじゃないわ
待っているだけなんて私らしくないってことは分かっている

言いたいことを言ってしまえば終わってしまうかもしれない
きっと今の二人の関係は簡単なことで壊れてしまう
だけど必死で守ろうとするのは何か意味があるのかしら
今でも貴方のことを愛していると自信を持って言えるかしら

もう少しだけ素直になってみてもいいかな
その時貴方がどんな顔をするのか怖いけど見たい気もする
続けたいと思うなら貴方の手で導いてみせてよ
私にはもう他に必要なものなんて何も無いのだから

不本意な言葉でページを締め括るのは主義じゃない
当たりそうにない弾だって撃ち尽くさないと気が済まない
私が欲しいのは甘さを塗しただけの偽りの夢なんかじゃない
ずっと遠ざけてきた貴方の本当の言葉を頂戴


自由詩 もう少しだけ… Copyright 1486 106 2017-05-16 06:53:58
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