2013-02-09(土) 00:25:24
分厚いゴム長。きしり、きしり、足跡をつけ、渡っていく。
見渡せば
たんぼはひろく、白い海原。
とおく、あおくうねる山々。
なだらかな空を、鳥の群れが飛んでいる。
熱が目にみえるかたちで、口から出て、耳たぶをこすり、うしろへうしろへ流れてく。
末端は凍り、かたまって、動かず
どくどくと、まんなかだけが、意識される。
どこへいくか。
もしかしたら、冬がずっと続くやも。
雪が、どこまでもどこまでも降りつもり
「余り」が一切合切、削げ落とされ
さまざま、脱落したあとに
残ったものだけを、「尊し」とする時代が。
ただ、行軍するのに
鼻も、口も、耳も、手も、必要ない。
懐かしい匂い、他愛もない噂ばなし、旧い音楽、友人とのゆびきり。
それらのどれも。
あぁ、けれども、ぼくらをぼくらたらしめる最も重要な要素は
猥雑で、醜く、時に悪臭を放ち、かといえばかぐわしい
末端のなかにあるのだ。
キャスフィ 詩投稿板 マーガレットより転載
季節外れだけど