魂を繋ぐ者
ヒヤシンス


 自由を求めて彷徨う魂は蛍。
 夜の神秘を嗅ぎ分けて、集まる。
 静けさの中にちらちらと煌く光は
 あらゆる煩悩を消してゆく。

 今ここに在る事の意味を考える者は
 光に頼りを探し、朝を迎えるだろう。
 充血した赤い目に涙を湛え、
 自分の欲する表現に縋るのだろう。

 生きなければならない。
 愛と優しさをその胸に携えて。
 先人の祈りを力に変えて。

 過去の魂は蛍となって今年もやって来る。
 光に宿る願いを私らは聞かねばならない。
 魂を繋ぐ者に新しい太陽は微笑むのだ。
 

 


自由詩 魂を繋ぐ者 Copyright ヒヤシンス 2017-05-13 05:31:44
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