不眠症の夜に
坂本瞳子

晴れていないのは
私の心で
強い雨が降り続く
彼女の気持ちを
抱きしめたいと
期待も込めて
希望する

星々よりも
蒼い月が輝く夜空を
欲する心が止まることなく
叫び出したい衝動が
腹の底で燻る
こんな夜は
早く寝たふりをするに限る

喉の渇きを忘れるために
涙をこらえて
シーツをきつく身体に巻き付け
破いてしまわない程度に
精神を雁字搦めにして
微動だにしないように
できないように
眠りに堕ちてしまおう

きっとそうはできないから


自由詩 不眠症の夜に Copyright 坂本瞳子 2017-05-10 01:48:02
notebook Home 戻る  過去 未来