一人ぼっちのピース
卯月とわ子

ソファの下に隠れていたジグソーパズルのピースが一つ
綺麗な青のそれはいつかのパズルの空

わたしは貴方というパズルのピースに成れているだろうか
複雑な絵の貴方を構成するピースの一つに
真ん中あたりは貴方にとってもっと大切な人やモノだろうから
わたしはきっと端の方の一つ

貴方の心模様で変わるパズルの絵柄は
昨日のものには戻れない
けれど
明日の絵柄は昨日のそれがなければ出来上がらない
そんな貴方のパズルの絵柄
わたしは成れているだろうか
貴方というパズルのピースの一つに

一つでも欠けてしまえば意味を無くす
小さくて大きなパズルのピース
貴方にとってわたしが代わりの利かない存在なのだ、と
誰かが言ってくれればいいのに
それだけで自信が持てるのに
貴方は無口だし
類は友を呼ぶ
貴方の周りの人たちも良くも悪くも想いを口にはしない

ソファの下でのかくれんぼを終えた青いピースは
もうその役目を果たすことはできない
だって
あのジグソーパズルは完成する前に処分されてしまったから
一人ぼっちの青いピースは
今のわたしにそっくりで


自由詩 一人ぼっちのピース Copyright 卯月とわ子 2017-05-04 10:07:04
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