像世界/蛾兆ボルカ氏への一つの応答として
ひだかたけし

像の消失した世界、
ふとした瞬間に立ち上がる
 全て失い弱り果てている時に
 神経尖んがり一杯一杯の時に

無視しても無駄だゾウ
ソレは混沌を超えた
異様な響き力動の界
剥き身の形象世界だゾウ

  赤は赤赤と単独で浮き
 白は白白と単独で迫り
青は青青と単独落ちて来る

始まる侵入、始まる剥奪

でも大丈夫だよ、いまんとこ
だって、ほら
あなたもわたしも
ある統一された意味世界に生きて居る
繋がった観念像に守られ息して居る

青い青い空を
白い白い雲が
赤道の上進みます


ふぅい
でも ね

ほら 不意に!

膜が破れ、決して繋がる像を結ばない
形象たちを産卵し続ける、化けの皮を剥いだ世界の実相が眼前に.............

*紅茶にカップを注ぐ
カップを紅茶に注ぎ
注ぎ続け ながら
私は既に力動の渦に巻き込まれ
私はソレを凝視する
ひたすら只凝視する

戯れ渦巻き遠去かる
巨大な<無意味>
宇宙悠久のダイナミズムに
己のリズムを何とか保ち
この謎だらけの壮大な
変容する意識のプロセスを辿るため



















*バタイユ“至高体験”参考


自由詩 像世界/蛾兆ボルカ氏への一つの応答として Copyright ひだかたけし 2017-05-03 15:03:49
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