ガチョウのクソ
花形新次

年老いたガチョウが
クソを垂れ流しながら
飛び回る
失った故郷には
もう戻れないから
腐った羽がもげ落ちるまで
グルグル旋回するしかない

そんなガチョウの垂らしたクソは
クソ雨になって
「ガチョウなんか早く死んだら良いのにな」
と思うだけの
幸せな人々の頭上に
降り注ぐ

降り注ぐ
迷惑な
ガチョウのクソは臭い


自由詩 ガチョウのクソ Copyright 花形新次 2017-04-23 12:12:02
notebook Home 戻る  過去 未来