夕方の癖
ヒヤシンス


 オレンジ色の世界が僕に優しい。
 季節の抜け殻が道路脇に溜まっている。
 それは次の季節に託した遺言のようで。
 澱んだ色に鮮烈なオレンジが溶けてゆく。

 僕には悲しみを持つ権利もなくて
 ただ希望の中に何かを見出そうとして。
 この世の持つ引力と僕の持つ引力が互いにそっぽを向いている。
 けれども僕はいつだって諦めたことはないんだ。

 僕はいつでも大きな愛に包まれているような気がする。
 それは貴方のかもしれないし貴女のかもしれない。
 あの世とこの世がリンクして僕を生かしてくれている。

 今日も僕は感謝の言葉を心に呟く。
 誰かにそっと聞こえるように。
 新たな季節が僕を待っているのさ。
 


自由詩 夕方の癖 Copyright ヒヤシンス 2017-04-15 06:01:24
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