残存生命
たいら

死に損ない
生き損ない
中途半端な生命だ
伸ばす腕も
足掻く足も
失って尚見る幻影が
進む先を
戻る跡を
朱色で隠してしまうから
あの日の地下鉄のホーム
鏡のアンバランスな僕
黄色い線の内側で立ち止まったまま。


自由詩 残存生命 Copyright たいら 2017-04-10 07:10:15
notebook Home 戻る  過去 未来