となりまち
はるな


ひなげし 石ころ 傷んだ人参
これがちかごろのわたしだ
とにかくこのゆがんだ町から出るには
靴をはかなければならない
戻ろうとふりむけば世界じゅうの鈴がなるし、
出したはずの手紙で抽斗がいっぱいだ

ここはわたしのかたちをしている
隣町はあなたになってしまった
夜は海
色や形がおしよせてきていっこうに前へすすめない



自由詩 となりまち Copyright はるな 2017-03-29 19:48:25
notebook Home 戻る