物性
いっと

輪郭だけがある、かたまりには、
模様のようなものが、
刻まれていて、もうずっと動かない
胸の奥
いつここに来たのか

それは
外界の音に共鳴するようなところがあり、
愛おしくも無いけど、
離れることも出来ず、
感覚を失った手指よりは、
自分らしい

今日も、
そこは薄暗く、
誰にも見えないが、
奥の方で、
私の芯をなぶっている、
音がする
きっと、
知らぬ間に、死んでいる


自由詩 物性 Copyright いっと 2017-03-21 23:10:53
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