讃岐どん兵衛

誘った君が突然「まだ早い」と

引き返して行った 扉は開いたまま



君の言葉の意味を確かめられないまま

日々を重ねた今でも 思い出せるだけ



溢れる涙も 打ちつける雨も

過ぎ去った場面を 霞めることできずに



大人になった今 もう一度誘ってみたら

きっと君は言うだろう 「もう遅いんだ」と



苦くないこともたくさん経験したよ

でも 確かめたいことに 繋がらなかった



昨日のことさえも薄れてゆくのに

あの日のできごとが まるで昨日みたい



満ち寄せる波も 吹きつける風も

過ぎ去った場面を 動かすことできずに



大人になった今 もう一度誘ってみたら

きっと君は言うだろう 「もう遅いんだ」と



君も思い出すこと あるのだろうか

引き返して行った 扉は開いたまま


自由詩Copyright 讃岐どん兵衛 2017-03-18 00:38:31
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