初春
なだれ
もうじき春がやってくるはずなのに
今にも雪が降り出しそうで
泣いている子どもの膝が赤くてかわいそう
ぼくたちも本当は泣いてしまいたいけれど
寒いねと言い合えるからまだいいね
人間。
ぼくたちは人間でしかない
ぼくにしか出来ないことなど
ひとつもないのかもしれない
きっときみもぼくと同じで
特別な人間なんてひとりもいない
大切なものはお金じゃ買えない
と信じて生きていたい
人間。
ありふれた、人間
せめてきみを救ってあげられるのは
ぼくでありますようにと
鮮やかな花を待つ鉢植えに水をやる
自由詩
初春
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なだれ
2017-03-17 00:25:20