目覚ましが鳴る
塔野夏子

目覚ましが鳴る
私の眠りが破られる
また目覚ましが鳴る
私の眠りが破られる
いったい何度目覚ましは鳴るのか
私をどんな眠りから
どんな目覚めへと連れ出そうとして
目覚ましは鳴るのか
その目覚ましははたして
過去の私がかけたのか
過去の誰かがかけたのか
あるいは
未来の私がかけたのか
未来の誰かがかけたのか
目覚ましが鳴る
また目覚ましが鳴る
幾重にも私の眠りは破られ
幾重にも私は目覚めへと連れ出される
目覚ましをかけたのは誰
目覚ましをかけたのはいつ
目覚ましが鳴る
目覚ましが鳴る
目覚ましが鳴る

どうか心ゆくまで
深くやわらかく眠らせて欲しい
うつくしい夢をいくつも見て
その果てに
おだやかな本当の目覚めが
おのずとおとずれるまで




自由詩 目覚ましが鳴る Copyright 塔野夏子 2017-03-15 20:33:14
notebook Home