片恋
もっぷ

淋しくはないのかと言われたらそれは違う
けれど
祈るように胸のどこかへしまって
自分をも騙してみたい

そとは 三月になったばかりの夜で
淡淡と気配を隠しながら
いつかしら窓辺に白旗を残していった冬の
もう届かない後ろ姿

また告げられなかった想い
連れ去ってほしいという 熱病のような
冬へのわたしの片恋

いつまでも着ていたかった
タートルのセーターはアイボリー
纏うことを拒んだ、あるドレスに似て



自由詩 片恋 Copyright もっぷ 2017-03-07 03:51:26
notebook Home 戻る  過去 未来