野梅
末下りょう

行けども行けども野梅野梅野梅ヤバイ着色の珍味と大関とすっぱいセクハラが命綱。ん。川のナマズが飛び跳ねる。わ。ぬしだぬしだと死んでる虹をナマズとみまちがえ宇宙の高さに迫ろうとも真面目も休み休みに言えとせがむ。よ。歌いつづけろ歌いつづけろカワズの合唱を見習いとめどない鼻水にとりわけ見惚れろ。ひ。黒ずみ汗ばあむ枝のヤバイ有り様をぶるぶるいっしょに仰ぎみた。あ。どんな闇よりも少し奥に野梅は立ってるね。ね。きみの立ち方とぼくの立ち方は漢字の。犲。花びらは五つめの季節にみつけた顔に沈む。す。歩き疲れてやせ地にへたりカワズのようにつめたい夜気を吸いこめば身の丈が嗅ぎつける。ぬ。鬼の首とりに明け暮れる日々ならうらぶれたものたちは尻を払って帰る。へ。始発待ちでクシャミするわびしさと手ぶらのおうちゃくさにいまさら戸惑い野梅の香りを隣人に擦りつけヒネびた笛は気持ちながめに吹き鳴らされ。線路は浴槽のように磨かれてる。


自由詩 野梅 Copyright 末下りょう 2017-03-07 02:18:51
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