男のおかあさん
サダアイカ (aika)

わたしは、男のおかあさんと暮らしている
男のおかあさんは、働いているので忙しい
男のおかあさんは忙しいので、わたしは留守番をする
わたしは遅くまでひとりで遊んでいるので、いつも眠い

男のおかあさんの手料理はひさしく食べていない
男のおかあさんは手料理をひさしく食べていない
わたしが作らないからだ わたしにも作らないからだ
わたしがちっとも家のことをしないので、男のおかあさんは困る
わたしは男のおかあさんに外食に連れて行ってもらう
男のおかあさんの好物は肉で、わたしの好物は寿司だ
わたしがぱりぱりの海苔で山葵がのったうにをほおばっていたら
帰ったら風呂に入ろうね と、男のおかあさんが言うが
今はバスタオルが洗濯機の中で全部ぬれていて体をふけない

わたしは、男のお母さんにしかられるのがすきだ
なにやってるの?早く寝なさい。と言われるのがすきで
なにやってるの!早く寝なさい!と言われるときはいやだ
そこのところを、男のおかあさんは何度説明してもわかってくれない
わたしは、かんしゃくを起こす 反抗期なので地団駄を踏む
すると、ちゃんと片付けたら2まんえんくれると
男のおかあさんが言うので
わたしは喜んで飛び跳ねて 2まんえんっ2まんえんっ と
歌いながら踊るわたしが盆踊り風に歌って踊っていたら
男のおかあさんが笑ったので、満足して 
2まんえんなんかどうでもよくなって 片付けない
本当に全部片付けたら 10まんえんだよっ! と言ったけれど
それはなんか必死すぎると思う ふうーん と言って 
かわいそうに とつぶやいた
いいバイトを探している人がいたら 電話ください 
1まんえんのバイトです

わたしはなんでだか男のおかあさんといると楽しくて
毎日会うたび楽しい、だからわたしはどうやら
男(のおかあさん)のことが好きで
好きで、大好きなのだろうから母の日には2まんえんで 
カーネーションとエプロンを贈るつもりだ


自由詩 男のおかあさん Copyright サダアイカ (aika) 2003-11-15 01:46:08
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