ボトルシップ(short ver.)
本田憲嵩

赤茶けたカーテンを捲って覗く
窓のむこうの電柱
電球の切れかかった外灯が
ぱちぱちと青白く点滅しているのを
ひとり、ぼんやりと眺めている
机のうえの白いコーヒーカップの底には
固まったままの茶色い粉末が
そのくすんだ匂いで「停滞」をいつも暗示している
その埃っぽい部屋のなかで
やがて無数に積み上げられてゆく
売り物にならない詩想の
ちいさなボトルシップ
そしてそんな日々



自由詩 ボトルシップ(short ver.) Copyright 本田憲嵩 2017-02-14 02:01:04
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