リピート
讃岐どん兵衛

暦ではもう春になったらしい

それでもどこかで雪は降っていて

今日歩いてきた足跡も

夜が明ける頃には真っさらに戻っているのだろう

きっと繰り返す旅の途中下車 いつものように立ち止まって休めばいい

一本道引き返したところで 行き先が変わってしまうものでもなく

きっと繰り返す旅の途中下車 いつものように立ち止まって休めばいい

繰り返す旅の途中なのだと 繰り返し繰り返し繰り返し続けよう



愛する人を裏切ったのは自分ではないかと

遠く離れても離れない後悔には

はるか地平線の向こう側

何かが見えるような宛てもなく

きっと繰り返す旅の途中下車 すれ違う明日の光射すところ

一本道どれだけ歩いても 景色が変わらないと進めたと思えないまま

きっと繰り返す旅の途中下車 すれ違う明日の光射すところ

繰り返す旅の途中なのだと かつては夢に向かった自分じゃないか



無我夢中の力を持っていながら

誰かに寄り添いたい寂しさを払い除けられず

生命の終わりの最後の力とは

残ったものではない自分にはない力なのか

何度踏み外し 何度振り返り 問い正し 尋ね続けた先には

その度に見たり聞いたりした ずっと前から分かっていたことだったとしても

きっと繰り返す旅の途中下車 いつものように立ち止まって休めばいい

繰り返す旅の途中なのだと 望む答えを聞きたいだけなのだろう



きっと繰り返す旅の途中下車 すれ違う明日の光射すところ

繰り返す旅の途中なのだと 繰り返し繰り返し繰り返し続けよう


自由詩 リピート Copyright 讃岐どん兵衛 2017-02-11 01:52:34
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