キラキラ
藤鈴呼


最近の 日の出時刻を 知らぬから
未だ 明けきらぬ どころか
明ける 気配すらも 見せぬ塩梅の
暗き空を 見つめながら
車 走らせた

タイヤは従順で
もう これ以上ないって程の音量で
コーンと啼いた後
時計回りに 動き始めた

真横から 動画として 眺めるならば
逆回転しているかのようにも 思える
トリックアートの世界ならば
お得意分野でしょう? などと 笑う
あなたの上げている足の下に
本当は 台座など 存在しないのです

ガチャリと音がして
隣の住人の 気配を知る
その頃になり 漸く世の中は
耀さを 取り戻したけれど
カーテンの内に 引き籠る身としては
確認する術が ないのです

何となく 耳に残る 階段音を
耳障りと取るのか
何時も通りの 時計の針のように
気になるけれども なかったものとして
脳内で 消し去るかは
ワタクシに 委ねられていて

その結果を 提出する
レポート用紙すらも
朝刊に 挟み忘れた チラシのように
存在を 隠したかに 見えた 

だからかな
ふと目についた三日月の 
切っ先の鋭さ以上に
その長さが 気になって
斜め下で 可愛らしく光る 
キラキラの星が
ちょっとだけ 可哀相に 思えたの

踵を返す
もう一度 振り返った瞬間 
廻り逢えたのなら
この心に 収めてみるのも 
良いんじゃないかって
瞳だけでは 足りないのだと 
ぼやきながら
カメラ一つも 残っていない 
大きなポケットばかりを
まさぐるのです

空気に触れた 掌が
段々と 温もりを 取戻し
私は ほんの少しだけ
指先の 冷たさを
忘れられました

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自由詩 キラキラ Copyright 藤鈴呼 2017-02-11 00:47:20
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