海の幸
梓ゆい

後部座席から見えるのは
太陽に反射をする朝の海。
波止場に着く船のエンジン音が
微かに聞こえてくる。

テーブルに並べた分厚い刺身の大皿と
大きな金目鯛の煮付け。
山梨で食べるものより美味しい。と
母が大トロの握りを一口で食べた。

きらりと光る大粒のいくら
はみ出す海老の尻尾で食べにくい
御前崎の海鮮丼。

父と一緒に穴子を頬張りながら
二人でおいしいね。と笑い合った。


自由詩 海の幸 Copyright 梓ゆい 2017-02-09 04:01:53
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