背広のおっさんが朗読する
花形新次

冴えない中年のおっさんが
原稿用紙を片手に
ステージに上がって来て
意気揚々と春日八郎でも
歌うのかと思って聞いていたら
ド素人丸出しで
クソつまらない自作の自称詩を
読み出したので
みんな軒並みひいていたけれど
俺はそれどころではなく
とても自称詩人とは思えない
ダサさ丸出しの弱っちい
おっさんを見ていると
こいつみたいなのは早く
死んじまった方がいいんじゃねえかって
気さえした
自分のみっともなさに気付かないようなら
生きてたってしょうがねえだろ

俺なら多分、こいつを二秒で殺せる


自由詩 背広のおっさんが朗読する Copyright 花形新次 2017-01-28 00:21:21
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