だから夜眠れなくなるよっていったのに
カマキリ

風は止んで不思議な午後だった
うまく前に進めないような気がして足がもつれた
言葉はカツンカツンと音を立てて
街中の建物にぶつかって帰ってくる
時折それは武器になったりカドが取れて優しくなったりする
昨夜は眠れなくて
よれよれのコートがちょうどいいあたたかさで
悪路を走るバスの中、少し目を閉じてしまった
きっと降りる頃には夕方と夜の境目で
嘘みたいな色使いの景色だろう
そしたら
カレー食う時に白い服を着ちゃうバカなあの子が
手を振って虹をまたいで迎えに来てくれるんだ
だから、夜眠れなくなるよって、何度も言われているのに
どうしてもやめることができないんだ


自由詩 だから夜眠れなくなるよっていったのに Copyright カマキリ 2017-01-18 21:05:41
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