酩酊
水菜

酩酊をしている

ふりつもるゆきのはな

わたくしがどんなにほれようと
あなたはふりむいてはくれぬでしょう

あかいゆびさきひたした澄んだ湯のおくに

こごえたなみだがひとつぶひかり

こえがあかくそまらぬまえに

あなたのそばからはなれましょうと

心身がこごえていく

ほのかにもえる湯にはうつらぬ

真摯な目のそのおくにちらちらうつるぜつぼうの

そのさきにあわいひかりのつぶ

酩酊のさきに

小雪がちらちらいつまでもやまない


自由詩 酩酊 Copyright 水菜 2017-01-10 22:18:34
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