ヌード
ただのみきや
冬の光に抱かれて
こくり と 眠るように
夢の浅瀬を渡るように
用事はすっかり忘れ
身ひとつ
見知らぬ風景
懐かしい街を往くかのように
身を切る冷たさ
かじかむこころ魅かれるまま
景色に景色を
人に幻を重ねながら
言葉は
まだ踏みしめられない新雪へ
旅路で果てた
鶫
(
つぐみ
)
のように
死は生の形を置き去りにするが
すぐに埋もれ ただ白紙へと
光は素直
影は
朴訥
(
ぼくとつ
)
に寄り添う
時も太陽も輪郭を脱ぎ捨てて
林檎ひとつ透明になる
《ヌード:2017年1月4日》
自由詩
ヌード
Copyright
ただのみきや
2017-01-04 21:48:41
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